訪問診療の看護師の仕事内容は？経験者が解説！

訪問診療の看護師は、訪問看護師とは仕事内容が異なります。

私は、訪問診療の施設（特別養護老人ホームが主）への訪問診療メインのクリニックで働いていました。

訪問診療の看護師の役割は、医者の処置の介助が主の業務です。

医者と一緒に、訪問先へ伺います。

訪問診療の中でも居宅と施設では、業務内容が少し異なります。

これから訪問診療の看護師として働きたいという方、また訪問診療を家族が受けているけどどんなことをしているか知りたいという方にも参考になると思います。

今回は施設の訪問診療について、解説していきます。

訪問診療とは

訪問診療とは、医師が自宅や施設へ定期的に訪問し、診察するものをいいます。

通院が困難な患者さんのところへ、定期的に診療に伺い、健康管理をおこないます。特に、症状が変わりなければ、定期処方や処置を行いその日の診察を終えます。

臨時処方や、状態によって処置を行うこともあります。

施設への往診は、月2回に定期で伺います。

365日24時間体制で、緊急時には臨時往診を行うこともあります。

長距離であり、荷物も多いため車移動

クリニックで診察をする内容を訪問して行うため、荷物が多くなります。点滴グッズ、処置グッズ、書類系、パソコンなどを持っていきます。

また、12〜15施設の往診を担当しており、遠方の施設もあるため、車移動で施設へ向かいます。

医師・看護師・運転手の3人で施設へ向かいます。

先生に広く座席を使ってもらうために、看護師は助手席に座っていました。

施設では、施設看護師、薬剤師も一緒に同行

施設に到着すると、荷物を持って施設へ入ります。

施設では、施設看護師さんと、指定薬局の薬剤師さんが待っています。

施設に別に担当の薬局が決まっています。薬局と施設が契約し、患者さんとも契約が結ばれれば、医療保険で定められている、在宅患者訪問薬剤管理指導料のもと、指定薬局が薬剤管理してくれます。

医師、看護師、施設看護師、薬剤師で患者さん一人一人のお部屋に周り、診察をしていきます。大体、1人あたりの診察時間は長くて5分程度です。

訪問診療看護師は診療の補助、処方箋変更がメイン

それぞれの往診中の仕事内容を業種別で簡単に説明します。

職種	業務内容
医師	患者さん一人一人の診察をする。
看護師	医師の指示のもと、処置を行う。処方箋の変更あれば、書き換えを行う。
施設看護師	患者さんの日常の様子を医師へ説明。
薬剤師	患者さんに必要な薬剤の相談、調整。

相談しながら、患者さんの内服や処置を決めていきます。

施設看護師は、毎日の生活の中で必要な処置（創処置など）以外は基本的にはしないことになっています。（施設の方針による）

処方箋変更時に、処方箋上の書き換えは医師か看護師しかできません。

そのため、訪問診療看護師は、医師の指示のもと医療処置を行い、処方箋の書き換えを行います。

医療処置といっても、採血、点滴、バルーンチューブ交換がほとんどでした。

一人一人の診察が終わったら、指示の変更内容などをまとめて、施設看護師へ申し送りをして終了です。

往診以外にも内勤業務もある

往診同行以外の仕事に内勤の仕事があります。

往診からクリニックへ戻ったら、往診の看護記録をします。

それ以外は、施設からの電話対応をしながら、翌日の往診の準備をします。

電話対応は、施設から患者さんの容体に変化があり、医師に指示を仰ぎたい場合に電話が来ます。

訪問診療看護師は、電話内容を聞き、アセスメントをします。その後、医師に伝達し指示を仰ぎます。

OLさんのような時間帯で働ける

クリニックにもよると思いますが、訪問看護と違って、オンコールがないのも魅力です。もちろん夜勤もありません。

夜間・休日は当直専門の医師が対応してくれていました。

普通のクリニックは、患者さんの都合が着く日に来るため、土曜日も診療しているところが多いと思います。

訪問診療は、定期で患者さんの元に伺うため、土曜日にクリニックを開く必要がありません。土日祝日休みのところがほとんどです。

土日祝日休みで日勤のみオンコールなしの看護師の仕事はなかなか珍しいです。

転職におすすめ！

病院よりは少ないですが、医療技術を行う場面はあります。そのため、看護師としてのスキルを生かしてお仕事することができます。

病院での仕事に疲れてしまった看護師さんや、潜在ナースさんの復職にもちょうどいい仕事内容だと思います。

私は転職前は、準夜のある仕事をしていて、夜に眠れなくなってしまい、訪問診療クリニックへ転職しました。

その結果、生活リズムも整って、健康的に過ごすことができました。

転職をお考えの看護師さん！ぜひ、検討してみてください。