家族が初めての入院をするんだけど、入院先のパンフレットをみて準備したけど、これで大丈夫かな
自分や家族がこれからはじめての入院となると、何を準備したらいいのか不安になる人も多いと思います。
今回は病院のスタッフである看護師目線からこれを持ってきてくれたらスタッフも嬉しいし患者さんも負担が減るというものを解説します。
入院生活は環境の変化や治療などの不安でストレスがかかりやすい状況です。
少し持ち物を工夫して、快適な入院生活を送りましょう。
100均一・ネット・病院の売店で揃う
100円ショップを見てみると、介護用品の品揃えがかなり豊富です。
小物類であれば、売店やネットで購入するよりかなり安く手に入ります。
気持ち的な問題かもしれませんが、入院中に使用していたものを、退院してからも使うのはなんとなく気が引けませんか。
エコではないですが、気軽に処分できる安いものがいいかなあと思います。
しかし100円ショップまで行くことが大変な場合もあるので、その際はネットや病院の売店でも購入ができます。
病院の売店は、入院中に使いやすいものが厳選されて置かれているため安心して購入できます。
小物類は100均一を推していますが、100均一で購入しないで欲しいものもあるので、それぞれの持ち物で、”どんなものがいいか””どこで購入できるか”も合わせてお伝えします。
コップ
コップは洗面用と湯呑み用の2つです。
湯呑みは病院によって、配膳時に提供されることがあるので確認しましょう。
洗面用や湯呑みに関わらず、下記のようなコップが使いやすいです。
プラスチック製
ガラス製のコップは、落としたときに割れてしまう可能性があります。
割れてしまうと本人及び同室者にもガラスの破片で怪我をしてしまう恐れがあります。
ベッドに付いているテーブルは以外と狭く、コップを置けるスペースは、ベッドの横にある消灯台と呼ばれる場所とベッドに付いているテーブルのみ。
コップをテーブルの真ん中に置いていても落としたり倒すリスクが高いのです。
またスタッフがお茶を配るときにも、倒さないように割らないようにと扱いに緊張感を与えてしまいます。
これらの理由から入院中はプラスチック製のコップを持ってくるとよいでしょう。
ストローが挿せるふた付き
手術後や体の状態によって一時的に座れなくなり、寝たままの体勢で水を飲むことがあります。
そのときに普通のコップで直接水を飲もうとすると、ムセたり・こぼしたりしてしまいます。
そのときにストローの挿入口が付いている蓋があるコップが使いやすいです。
ストロー付きの商品もありますが、上記のようなストローを挿せる蓋付きコップの方が、ストローを使わず普通のコップとしても使えるため一石二鳥です。
また密閉できる蓋なので、何かが不意に当たってコップが倒れてしまっても水がこぼれる心配が少ないメリットもあります。
100円ショップで購入可能
この「プラスチック製ストロー挿入口付きコップ」のドンピシャなものが、100円ショップに売っています。
勤めていた病院の売店では約400円で販売されていました。
また楽天では送料込みで700円前後でした。
断然100円ショップがお得ですが、100円ショップが近くにない場合は売店がおすすめです。
しかし病院の規模によって売店に売っていない可能性もあります。
入院してから売店で購入しようとしたら、売っていない!ということを避けるため、事前に問い合わせしてみましょう。
内履き
病院内で使う靴は、脱ぎ履きがしやすく転びづらい靴が必要です。
病院では自分のスペースがベッドになるため、靴の脱ぎ履きが盛んです。
トイレに行くにも、検査に行くにも毎回靴を脱ぎ履きします。
入院に適した靴を用意していただくと、患者さんに負担なくスムーズにトイレや検査にお連れすることができるため、看護師にとってもありがたいことです。
かかとがある
入院はスリッパのイメージもありますが、スリッパは転びやすく危険なんです。
かかとがない靴では、すり足歩行になりつまずきやすく、脱げやすいです。また底がツルツルしていて滑りやすく、転倒リスクが高いです。
そのためスリッパやクロックスではなく、かかとがあるものを選びましょう。
マジックテープ
かかとがある靴を選ぶときに重要なことは、脱ぎ履きが楽なことです。
おすすめは、マジックテープ付きの靴です。
簡単に靴の履き口が広がるため、脱ぎ履きがしやすいです。
靴紐はおすすめしません。
理由は、紐が解けていたときに転ぶリスクが高まること、毎回靴紐を結ぶことが手間になってしまうためです。
またスリッポンのようにマジックテープがない靴も、履くときに時間がかかったり、力を加えないと足が入りません。
入院中の体調が悪いときはちょっとしたことも大変に感じてしまうためやめておいた方がよいでしょう。
看護師にとっても、力を入れないと脱ぎ履きができない靴は介助がしづらくなってしまいます。
マジックテープ付きなら、力を加えることなくサッと脱ぎ履きできるため本人も介助者も楽です。
購入は病院の売店かネットで
ご自身の持っている靴の中から該当する靴があれば、その靴を使うとよいでしょう。
もし購入するのであれば、100円ショップではなく、病院の売店や福祉用品店のリアル店舗、またはネットで入院用のものを購入しましょう。
できれば実際にサイズ確認してから購入してもらいたいため、リアル店舗での購入を推奨します。
病院では1500円前後、ネットでは送料込みで1900円前後が相場です。
病院の売店で購入が簡単なので、販売しているか直接入院先へ確認してみましょう。
短い入院期間だけであれば、下記のようなしっかりした靴でなくても大丈夫です。
パジャマ
病院の中で過ごす用の服には、持参のパジャマかレンタル病衣のどちらか。
ご自身で着替えや洗濯ができるのであれば普段使っているパジャマで十分です。
介助が方は、これからお伝えする条件のパジャマを用意するとストレスフリーでお着替えできます。
またレンタル病衣のメリットも看護師目線で紹介します。
前開きのもの
寝たままのお着替えで、袖と頭を通すことはなかなか大変です。
前開きのパジャマは片方ずつ袖を通してボタンを閉めてお着替え終了ですが、前が開かないタイプはそうもいきません。
前が開かないと頭を通すために、患者さんに何度も横になってもらわないときれいに整えられないのです。
お着替えの度に患者さん自身の負担が大きいことに加え、介助者も負担が増えてしまいます。
患者さんも介助者も負担が少ない前開きタイプがベストです。
ゆとりあるサイズ
前開きなら、寝たままのお着替えも楽にできることをお伝えしましたが、ゆとりのないピッタリなサイズのパジャマは前開きタイプでもお着替えが大変です。
ピッタリサイズは片方の袖は通せても、もう片方の袖を通すときにパジャマをかなり引っ張ります。
説明が難しいのですが、関節の可動域の限界まで腕を曲げてもらったりと患者さんも一苦労です。
1サイズ大きいパジャマを用意するだけで着替えのときの負担が軽減されます。
レンタルがおすすめの理由
短期間の入院であればレンタルがおすすめです。
洗濯しなくてよかったり、用意する手間がなかったりと患者さんが感じられるメリットが多数あるのですが、レンタル病衣は看護師にとってもメリットがあります。
レンタル病衣の料金は、1枚単位ではなく1日単位です。1日数百円と設定されています。
そのため1日1枚使おうが、10枚使おうが料金が一緒なのです。
さすがに1日10枚使わせてくださいと言われたら困ってしまいますが(笑)、そうでなくても入院中はさまざまなタイミングで病衣が汚れることがあり1日に数枚病衣を変えることも度々あります。
やむを得ず、血液や消毒液などで汚してしまったときに、レンタルならなんの躊躇もなく新しいものに変えられます。
しかし持参のパジャマの場合は、看護助手さんに汚れを落としてもらうように頼み(そのままお返しする場合もあります)、ちょっと申し訳ない気持ちになりながらパジャマを交換します。
看護師も病衣がレンタルの方が気楽なんです(笑)
また治療によっては、術後は管が体に入るためツーピースのパジャマより、浴衣タイプの方が管理が楽なこともあります。
病衣には2種類ありツーピースタイプのものに加え、浴衣タイプもあるため状況に合わせて2種類を使い分けができるのも特徴です。
看護師にとっても、さまざまなメリットがあるためレンタル病衣がおすすめです。
しかし入院が長期に渡ったり療養メインで手術など治療がない入院であれば、持参のパジャマの方がコスパがよいので状況に合わせて選んでみてください。
下着もパジャマと同じ条件に加え
下着もパジャマと同じ条件で
- 前開き
- ゆとりがある
ものを選びましょう。
それに加え、ボタンがマジックテープ式が一押しです。
というか、病院の売店でもマジックテープ式のシャツがメインで置かれています。
ボタンを留める外すという行為は日常生活の中の脳トレにもなるため、自立されている高齢者などには「マジックテープ式シャツ」はおすすめできませんが、常に介助が必要な方には便利です。
病院の売店かネットで購入
パジャマとは異なり、前開きの下着は販売場所が限られています。
病院の売店とネットで購入可能です。
入院していて介助が必要な方のほとんどは売店で購入しているイメージでした。
爪切りやシェーバー
感染リスクを考慮して、血液が付く可能性がある爪切りやシェーバーは本人に持参してもらっており、貸し出しをしていないことがほとんどです。
ご自身で爪切りや髭剃りができない方は、持参いただいた物品で看護師がお手伝いします。
紙オムツ
紙オムツは健康保険が適応にならず、「オムツ代で請求が高額になった」という話はよく聞きます。
紙オムツの請求額は、1日単位ではなく1枚単位です。
1日に何度もオムツを変える方はご自身で購入しておいた方が安く済みます。
また私が勤めていた病院だけかもしれませんが、オムツの枚数管理が 少々ややこしかったのです。
毎日使うならオムツ買っておいてくれ〜(泣)と病院勤務時代は思ってました。
買っておいてくれた方が助かると私は思ってましたが、病院によっては全てオムツは病院のものを使用する方針のところもあるため、まずは病院に聞いてみましょう。
耳栓やアイマスク
病院は24時間稼働しているため、夜間でも緊急入院の対応などで病室の外がガヤガヤとうるさいことがあります。
また同室者のいびきや寝返りの音など、家では気にならない音が病院だと急に気になることもあります。
看護師同士で話が盛り上がり笑い声が聞こえるなんてこともあります笑
うるさいときに快適に睡眠するために、耳栓やアイマスクを念のため持ってきておくと安心できるでしょう。
ラジオやオーディオブック、動画配信サービス
入院中は、治療中や手術前後は忙しいですが、暇なタイミングもあります。
病室にはテレビが付いているので、テレビをみて暇を潰してもよいですが飽きてしまうかもしれません。
オーディオブックや動画配信サービスを登録しておくと、暇つぶしにちょうどよいです。
ラジオ
耳で聞けるラジオはかなり重宝します。
今はスマホからアプリをダウンロードするとラジオを聴けます。
またポータブルラジオを持っていけば、ネット環境も心配せずに無料で聴けるのも魅力的です。
スマホから聞く場合は、radikoをダウンロードすると簡単に聴けます。
またポットキャストもおすすめです。
小さいポータブルラジオは電気屋さんはもちろん、ネットにも売られています。
入院中以外にも、災害時などにも活用できそうですね。
オーディオブック
オーディオブックとは耳で聞ける本のことです。
本を持参する方法もありますが、状態によっては自由に動けない状態だったり、ずっと本を持っていることに疲れてしまったりと、本を読むことも難しいことがあります。
本を耳で聞けることで、ほとんど動作をせずに本を楽しめるため、入院中など制限が多い環境にはぴったりだと思います。
下記のオーディオブック配信サービスは、プロのナレーターや声優が本を読み上げてくれます。
1冊ずつポイントを使って本を購入して聴くこともできるし、聴き放題プランでいろんな本を聴くことも可能です。
入院中だけ利用するなら、月額1,080円の聴き放題プランがおすすめです。
プラン利用中は、対象の本がどれでも聴き放題で追加料金はありません。
デメリットとしては、プラン解約したら聴けなくなってしまうことや、オフラインでは使えないなどがあります。
ですがこの料金で、15,000点以上の作品が聴き放題はかなりお得だと思います。
入院中の暇つぶしはもちろん、寝付けない日の子守唄にしてもいいですね。
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動画配信サービス
NetflixやU-NEXT 、Amazonプライムなどの動画配信サービスもおすすめです。
韓国ドラマ好きのぱんさんはNetflix推し!
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状態や状況に合わせてチョイスしましょう
看護師目線で、入院中の持ち物を厳選してご紹介しました。
今回紹介したもの中でも、状況によっては必要なかったり過剰だったりする場合もあります。
介助が必要なければ、パジャマも前開きである必要ないし、ストローが挿せるコップでなくても良いのです。
自身の状態や状況に合わせて持ち物をチョイスしていただけたら嬉しいです。
合わせて読みたい
退院時に病院にお礼をした方がいいのか悩む方もいらっしゃいます。
看護師目線で解説している記事があるので、こちらも参考にしてみてください。
→退院時に病院へお礼がしたい!マナーや実際に喜ばれるものは?
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