看護師2年目で起こしたインシデントの対策(内服薬)

看護師コラム

私の看護師人生で一番反省した出来事です。

インシデントを起こすと辞めたくなる気持ちや、情けない気持ちになることすごくわかります。

私もこのインシデントを起こした時は同じように辛い気持ちなりました。

ですが、今ではこのインシデントの経験は、貴重な経験だったと思います。

実際にこの体験があってその後はほとんどインシデントを起こさず看護業務を行うことができています。

同じようなインシデントをした看護師さんに少しでも力になれたらいいなと思い書きました。

どんな流れでインシデントを起こし、どんな対策をしたかを書いていきます。

誤薬インシデント事例の経緯と原因

看護師2年目になって、先輩からの目も少なくなり、自由にのびのび業務ができるようになっていました。

また、業務に慣れ始めていたので、早く業務を終わらせる事を重要視していました。

患者さん情報を以下にまとめます。以降、Aさん、Bさんと表記します。

Aさん:山川様(仮名)、内服薬:整腸剤や下剤や脂質異常症薬など症状緩和の薬

Bさん:川井様(仮名)、内服薬:抗がん剤、抗がん剤の副作用に対する薬、高圧剤など

背景は夜勤で疲労困憊

私の勤めていた病院は、勤務体制は2交代だったため、夜勤は16:30〜翌8:30まで16時間勤務でした。

インシデントは、夜勤中の朝食後の薬を配っていた時に起りました。

夜勤の朝といえば、もうすでに10何時間も働き続けており、心身共に疲弊しており、頭もぼーっとしている状態です。

朝の8時に定時で薬を飲んでいる患者さんがいたため、8時までにその他の患者さんの薬を配り終わろうと考えていました。

なので、いつもより、速く配り終わろうと必死でした。

ぱんさん
ぱんさん

今思えばこの考えがインシデントの始まりでした、、、。

似ている名前の患者さんが病室に二人

一つの病室には4名の患者さんが入室しています。

病室内に「山川様(Aさん)」「川井様(Bさん)」という二人の女性が入院していました。

同姓同名ではありませんが、どことなく似たような名前でした。

ぱんさん
ぱんさん

同姓同名の方が、間違えないように緊張感を持って対応するけど、どことなく似ている名前は逆に怖いなと思いました。

患者さんの名前確認は間違いなくしていた

私は、まず患者Bのところへ向かいました。

患者さんの前に来たら、病院の決められているチェック方法がありました。

患者さんに名前を言ってもらい名前を確認します。そうすることで、名前間違えが絶対に起きないからです。

私はBさんに「お名前教えてください。」というと、Bから「Bです。」と返答があり、名前確認はしっかりできていました

悩めるナース
悩めるナース

名前確認ができていたのに、なぜ誤薬が起こってしまったの?

薬を数だけ確認をした。

薬を配る時は、担当の患者さんの全ての薬をワゴンに乗せて移動します。

夜勤の時は、多くて20人ほどの患者さんを一人で担当していました。

薬は小さい箱に患者さんごとに分けられていてその箱に患者さんの名前が書かれています。

私はその時私は、名前を苗字だけを確認し、「Aさん」の薬の箱を出してしまったのです。

ぱんさん
ぱんさん

山川さんと川井さんで、「」の文字だけをみて、箱を出してしまいました。

ここで、違う患者さんの薬を出してしまったとしても、処方箋に乗っている薬の種類と箱に入った薬の種類を一粒づつ確認すれば、間違えに気づけていました。

ですが、ここで薬の種類を確認せず、薬の数だけ確認してしまったのです

ぱんさん
ぱんさん

薬が一包化になっていて、薬が剥き出しの状態だったため、確認に時間がかかると思い、数しか確認しませんでした。

数は、Bさんの処方箋とAさんの箱に入っている薬の数が見事に一緒でした。

なので、そこでも、間違えに気づけずBさんにAさんの薬を渡してしましました

その時に、Bさんも薬の違いには気づきませんでした。

AさんのところでAさんの薬がなくインシデントに気づいた

Aさんのところへ行き薬を配るためワゴンの中のAさんの薬を探しました。

ここで、ワゴンから薬を探している時に、Bさんの薬が残っていることに気づいて、インシデント発覚しました。

ぱんさん
ぱんさん

この時の感覚は一生忘れられません。サーと血の気が引いていくのがわかりました。血の気が引くとはこういうことなんだと思いました。

インシデント発覚後は優しい先輩ナースに助けられた

インシデント発覚し、その時のリーダーと師長さんに報告をしました。

このインシデントを起こした事が、患者さんに申し訳ない気持ちと、2年目なのにこんなミスをして恥ずかしいし、悔しい気持ちになり、めちゃくちゃ泣いてしまいました。

ですが、先輩は怒らず、とても慰めてくれ、一緒にインシデントレポートを書いてくれました。

ぱんさん
ぱんさん

この時のリーダーの先輩看護師が神でした。ここで、怒られたり、罵倒されたりしたら看護師辞めていたかもと思います。

ここで、不幸中の幸いだった事が、Bさんの抗がん剤をAさんに渡していなかったことです。これが逆だったらと思うと恐ろしいです。

幸い、Aさんの薬はBさんに副作用が出ず、Bさんのご家族も寛容な方で、何事もありませんでした。

スーパー仕事が早い看護師になろうとしない

この一件で、肝に命じた事があります。

確認の工程は絶対に怠らない」ということです。

当たり前のように感じますが、病棟はとても忙しいため、時間短縮のために決められた確認の工程をしていない看護師は多くいました。

ですが、私は要領よく動けるタイプではなかったため、急ごうとすると焦って、注意力散漫になってしまう傾向がありました。

また夜は絶対に寝たいタイプの人間だったため、夜に行動することが身体に合いませんでした。

なので、特に、夜勤で忙しい日は、全然仕事に集中できていない感覚がありました。これ、一歩間違えたら事故だったなと思うことも実はしばしばあるような状態でした。

いつも、注意力散漫だから、しっかり確認をしないとミスをこれからもしてしまうと気づきました。

ぱんさん
ぱんさん

がいい看護師さんは、ここを端折ってもミスらないのかもしれないけど、私はそういうタイプではなかったみたい、、。

そこで私は、スーパー仕事早い看護師は諦めて、仕事は遅いけどミスが少ない看護師になろう誓いました。

それからというもの、決められた確認以上に確認するようになってしまったので、もともと仕事が遅いのにもっと仕事が遅くなってしまいました。

ですが、それ以降はほとんどインシデントを起こしていません。自分が覚えている限りでは、外的因子(転倒など)のインシデント以外は起こしていないと思います。

今後気をつければ大丈夫です

人間はミスする生き物です。とわいえ、医療の現場でミスが命取りになることがあります。

なので、忙しくてもWチェックなど病院で決められている確認方法は、今までのインシデントを元に作られたものだと思うのでしっかり守ってほしいと思います。

インシデントは、反省文みたいにインシデントレポートを書かなくてはいけなくて、悪いことのように扱われがちですがそうではないのです。

このやり方だとミスが起こると身を持って知った、貴重な体験なのです。

以降、同じインシデントが起きないように対策を考えることが大切です。

インシデントに挫けず、また元気に看護師を続けてくれたらいいなと思います。

ですが、そのインシデントによって、自信がなくなってしまったり、どうしても怖くて今は看護師をしたくないというのであれば、1回休む選択肢を考えることもいいと思います。

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